若林理砂
@asilliza

若林理砂メールマガジン「鍼灸師が教える一人でできる養生法」より

風邪は「ひきはじめ」で治す! 葛根湯+ペットボトル温灸の正しい使い方

白血球の増加にも効果あり!

 

書籍には四つの体質ごとの温灸を紹介していますが、その体質ごとの施灸でも風邪予防に十分利用できます。

理由は、温灸自体がどの部位に行っても、身体の防御作用を強めるように働くからなのです。温灸を行うと、血液中の白血球の量が増えることは、様々な実験によって確かめられています。

施灸の白血球に及ぼす作用に言及した論文って結構あります。白血球が増加することは、風邪に対する抵抗力がアップするということが考えられますよね? これ、どこの経穴に施灸するのでも別に効果が変わらないばかりか、なんと、ツボに当たってなくても効果が出るのです。理由は、火傷を起こした時にその傷を治し、感染症から身を守ろうとするときに白血球が増えるのと同じ作用を温灸でも惹き起こせるから……なんだそうです。

これから寒い季節が始まります。ペットボトル温灸の利点は、火を使わないから布団の中に持ち込んで施灸できること。

布団の中で四つの体質ごとの温灸を行うか、寝っころがって失眠→湧泉→三陰交の三つをペットボトルを適当に踏んづけたり足で挟むようにしてものぐさ施灸して、そのまま温かいペットボトルを布団の中に転がして、暖房代わりに利用してください。

気をつけないとならないのは、ペットボトル温灸は湯たんぽじゃないから、温灸を行う際は、皮膚にくっつけたままにして温め続けないこと。

足元を温めるために湯たんぽとして使うのは構わないんだけど、温灸目的で皮膚に押し当てっぱなしにしてしまうと、本当に火傷を起こしたりするし、温熱刺激に慣れてしまってお灸の効果が得られなくなってしまいます。

なかなか熱く感じない人も、必ず3~5秒で一度体から離し、回数を重ねるようにしてやってくださいね!

 

※この記事は夜間飛行メルマガ「若林理砂 鍼灸師が教える一人でできる養生法」2014年10月13日 Vol.083<「気圧変化への対応方法、秋の養生心得など」「ストレスに効果のある方法は?:産後の養生について」未病と已病、葛根湯とペットボトル温灸」他>に掲載された記事を抜粋して編集・再録したものです。

 

【メルマガ】若林理砂 鍼灸師が教える一人でできる養生法

9季節にあった「養生予報」が大好評! 流行りの健康ネタからディープな東洋医学知識まで、 読み応えたっぷりの内容充実メルマガです。

【 料金(税込) 】 540円 / 月 <初回購読時、1ヶ月間無料!!>

【 発行周期 】 月2回発行(第2,第4月曜日配信予定)

ご購読はこちらから!

http://yakan-hiko.com/wakabayashi.html

1 2 3
若林理砂
1976年生まれ。鍼灸師・アシル治療室院長。高校卒業後に、鍼灸免許を取得し、エステサロンの併設鍼灸院で、技術を磨く。早稲田大学第二文学部卒。2004年、アシル治療室開院。現在3ヵ月先まで予約が埋まるほどの人気を集めている。

その他の記事

「美容手術後の合併症」と医師法改正、そして医療DXと医療提供体制改革(やまもといちろう)
「意識高い系」が「ホンモノ」に脱皮するために必要なこと(名越康文)
変化のベクトル、未来のコンパス~MIT石井裕教授インタビュー 後編(小山龍介)
IT野郎が考える「節電」(小寺信良)
池上彰とは何者なのか 「自分の意見を言わないジャーナリズム」というありかた(津田大介)
【第4話】キャンプイン――静かな戦いの始まり(城繁幸)
身体に響く音の道――音の先、音の跡(平尾文)
YASHICAブランドのスマホ向け高級レンズを試す(小寺信良)
『戦略がすべて』書評〜脱コモディティ人材を生み出す「教育」にビジネスの芽がある(岩崎夏海)
ポスト・パンデミックの未来を示すように思えるバルセロナ(高城剛)
緊張して実力を発揮できない人は瞬間的に意識を飛ばそう(名越康文)
「芸能人になる」ということ–千秋の場合(天野ひろゆき)
週刊金融日記 第282号<日本人主導のビットコイン・バブルは崩壊へのカウントダウンに入った、中国ICO規制でビットコインが乱高下他>(藤沢数希)
人工呼吸器の問題ではすでにない(やまもといちろう)
いじめ問題と「個人に最適化された学び」と学年主義(やまもといちろう)
若林理砂のメールマガジン
「鍼灸師が教える一人でできる養生法」

[料金(税込)] 550円(税込)/ 月
[発行周期] 月2回発行(第2,第4月曜日配信予定)

ページのトップへ